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名門校とはかくあるべし!【書評】名門校とは何か?人生を変える学舎の条件 / おおたとしまさ(著)

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名門校とは何か? 人生を変える学舎の条件 (朝日新書)




  この本の概要
名門校とは何か? 人生を変える学舎の条件 (朝日新書) 新書 – 2015/2/13
おおたとしまさ (著)
新書: 328ページ
出版社: 朝日新聞出版 (2015/2/13)
言語: 日本語
ISBN-10: 4022736011
ISBN-13: 978-4022736017
発売日: 2015/2/13
商品パッケージの寸法: 18.2 x 10.7 x 17.2 cm



  目次


第一章 日比谷高校の悲劇
第二章 旧制中学からの系譜
第三章 藩校からの系譜
第四章 女学校からの系譜
第五章 専門学校・師範学校からの系譜
第六章 大正・昭和初期生まれの学校
第七章 戦後生まれの星
第八章 学校改革という決断
第九章 単なる進学校と名門校とは何が違うのか?






  感想
Kindle版を読了。
遠い昔の話ですが僕自身は寄宿舎に憧れていました。
確かに色々と不自由なのでしょうがそこで培われる若い時分の友情に惹かれていました。
それが確固たるイメージで刷り込まれたのが「ここはグリーンウッド」。
コミックスとはいえ若い上下関係の中で少しずつ成長していく様はまさに「これだ」という思いでした。

いきなり脱線しましたが全国の名門校と呼ばれる高校を取材しそこの特色ある生活を紹介するこの本は、ぼんやりとした名門校というイメージが読み進めるうちに段々と固まっていきます。
各学校が持つ由来や制度は歴史ある学校であればあるほど紆余曲折を経て固まっていったものだと分かります。
そしてどの学校も根底には自主独立や自由というものがあり、それをはき違えずに生徒が切磋琢磨しているのです。
若さと自由というものは尾崎豊の例を取るまでもなく反抗というベクトルに捕われがちですが、自由とは表裏一体である責任を学ぶためのものであり且つそれが結局は自分自身を高みに導くものであると思うのです。
そしてやはり国の根本は教育だと常々思うのです。





学校にも似たところがある。生徒は毎年入れ替わるし、当然一人ひとり違うのだが、それでも同じ学校の生徒には共通する「らしさ」が宿る。
特に個性的な「らしさ」を醸し出す学校を、人々は「名門校」と呼ぶ。
個性的な「らしさ」を身に付けた者同士は、お互いに「匂い」で分かる。ちょっと話してみるだけで、同じ学校の出身ではないかと直感的に感じるのだ。
ただし、その「らしさ」とは何なのか、どうやってその「らしさ」が身に付くのかといわれると、「何となく」以外に答えがない。

この引用の通り入学する生徒はまっさらなのに段々とその学校らしさが身についていく様は確かに不思議です。
歴史と伝統が為せる技なのでしょう。






すでに実績が出ている学校はそこを強調しなくていいので、結果的に教養主義や人格教育を打ち出せる。より本質的な教育に力を入れられる。
「大学受験なんて小さな目標ではなくて、もっと遠い将来の大きな夢を掲げろ」と生徒たちを鼓舞できる。生徒たちもその気になる。
結果、「大きな夢を実現したいなら、目の前の大学受験なんて楽勝でクリアしなければ」という発想が、学校文化として無言のうちに浸透していくのだ。

歴史があって自由なだけでなく、きちんと大学入学という結果を残しているからこそ名門校が名門校たる所以なのが分かります。
大学入試がゴールではなくその後の人生の夢に向かうための途中関門が大学入試である、とありますがまさにその通りだと思います。






名門校では、未熟な生徒たちに実際に自由に触れさせてみる。生徒を疑って管理するのではなく、生徒を信じて任せてみるのが名門校に共通する姿勢だ。
本書の中で紹介した学校の中にも、どこまで信じて任せてみるかという点においては各校の状況に応じて多少の差はある。しかし共通するのは「できるだけ自由に」「できるだけ信じる」という姿勢である。
多くの名門校で、長い歴史のどこかのタイミングで、生徒を信じ自由に振り切る瞬間がある。生徒もそれに応える。能力の高い教員と、能力の高い生徒がいることが前提ではあるのだが、そこに最高の目標であり教材である「自由」を与えると、生徒も教員も学校自体も勝手に伸びていくようになるのだ。
そこで一皮むける学校は多い。これが名門校を名門校たらしめる一つの条件である気がする。

そして生徒だけでなくそこで教鞭を取る教員も日々生徒のために努力を怠りません。






その仕組みが、「一番になれない環境」と「共同体意識」ではないかと私は思う。
名門校と言われるような学校に入ってくる生徒は皆優秀だ。地元の小学校や中学校では常に一番の成績で、クラスのリーダー的存在であった子供も多い。
しかしひとたび名門校の教室に座れば、自分と同じような生徒がごろごろいる。「こいつにはかなわない」と思う生徒もいる。最初は多少ショックを受ける生徒もいるのかもしれない。
しかし早晩気付く。例えば数学の成績でまったくかなわなくても、理科では自分のほうが勝っているなど、人にはそれぞれに魅力があるということに。それぞれの魅力を持ち寄れば、自分たちは最強のチームになれるということに。
そこに仲間に対する誇りと信頼、共同体意識が生まれる。お互いを認め合い、それぞれの自己肯定感が向上する。

そして若さの中での挫折は上記引用のように自己肯定で乗り越えられるのだと思います。
全ての面において他を圧倒する技量を持つ人間はほんの一握りなのですから、自分自身を生かせる道を早々に見つけることが大事なのですね。

いわゆるナンバースクールも多数紹介されていますし、私立も色々と紹介されています。
また特筆すべきは明治からの教育制度の解説です。
旧制中学から高等学校に変遷する歴史もかなりページを割いているので日本の近代教育史としても読み応えがありました。

僕自身は冒頭のように憧れはあったものの進学した高校は進学校を目指す新設校でした。
今思えば(受験生なので当然なのですが)中3の時にはかなり勉強しました。
自分の子供たちにもこれからの人生を考えて夢を定め、悔いのない進学を目指してほしいと思います。



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